メガネコンシェル

安い遠近両用レンズは使えるのか?/実際に購入してみました。・・・あくまで参考に

安い遠近両用レンズは買っても大丈夫なのか? この疑問の答えになるかも?
メガネは低価格路線が定着し、少し前だと考えられない価格で遠近両用レンズも提供されるようになりました。 そこで、品質にウルサイ消費者の多くが不安に思うことは、「安いだけで使えないなら・・・」と言うことでしょう。

はい、試してみました。あくまで一人の体験なので、誰にでも当てはまることではありませんが、元メガネ販売員の経験があって、メガネ販売を稼業としない人間の意見は意外に見つかりません。ぜひ、ご参考に。

ちょっと前なら、一組3万円以下で買うのが不可能なレンズを試しました。選んだ基準は、屈折率1.67(超薄型に分類されます)&できれば内面非球面&一組12,000円以下・・・です。

最新のレビューは2023年12月時点で、眼鏡市場・JINS・ZOFF・パリミキ・愛眼・和真・オンデーズの7店舗で試しました。

眼鏡市場さん

近方視野 70点
近方範囲 70点
自然さ 70点
遠方奥行 75点
遠方視野 70点
紹介&評価
2023年、ようやく新型になりました。ニコン製とHOLT製があるとのこと。今回はニコン製を試しました。前作より明らかに改善してます。

ニコンさんらしく、掛け替えてすぐは正面部分の見え方と周辺部の違いに違和感がありますが、3日ほどで落ち着く感じで意識しなくなります。前作で気になった遠方と近方の切り替え部でのボケは気になりません。
これなら使えます。早く出してくれれば良かったのに。やっと合格が出せます。
  • 評価①=OK、加入度3.00でもいけます。
  • 評価②=合格

パリミキさん

近方視野 65点
近方範囲 65点
自然さ 70点
遠方奥行 65点
遠方視野 75点
紹介&評価
セット等で買えるレンズが増えたらしいので再購入です。(2022/09)テストしたレンズは、同じ種類だったのですが、安くなってました。なんと、8,800円。薄型も選べます。加入度2.00以下ならそれなりの満足度があるでしょう。合格です。特に遠くの見え方は多くの方に納得してもらえると思います。コスパはかなりいいと思います。

HOLT製のPBなので、同等品はみつかりませんが、和真さんのレンズとよく似ています。買う時は、「キャスリープレミアム」(レンズの名前)をご確認ください。
気になる点は、中間距離(50-70㎝)の上下視野です。PCで縦方向複数モニターをお使いの方には勧めません。
  • 評価①=バランスいいです。コスパ良すぎです。
  • 評価②=合格

ジンズさん

近方視野 65点
近方範囲 65点
自然さ 75点
遠方奥行 75点
遠方視野 75点
紹介&評価
2019発売のレンズです。大きく進化しました。今回試したのは、ハードとソフト2種類販売されているうちのハードです。かなり遠方重視の設計で、遠くの見え方は文句なく合格。中間部と近方はギリギリ使える感じです。PC、手元等の見え方が重要な仕事に使うなら加入度:1.75アタリまでが無難です。

特筆すべきは歪感の少なさ。これだけで合格に値します。遠近でサングラスを作りたかった方にお勧めします。

あいかわらず、プリズム特注は請けてくれませんでしたので、ご注意を。念のため付け加えます。この評価はあくまでレンズ(メーカーはHOLTでした)に対してで、ジンズさんという店舗に対してではありません。

ゾフさん

近方視野 65点
近方範囲 65点
自然さ 75点
遠方奥行 75点
遠方視野 80点
紹介&評価
ゾフさん、2023夏発売のチョイ高めの両面非球面レンズです。合格です。

特に、遠方視はほぼ文句ありません。加入度3.00でも大丈夫でした。初心者でも足元の不安はほとんどないでしょう。運転もOKです。遠方視に重点を置いた設計のようで、中間部(50cmくらい)から近方視はイマイチです。事務仕事が中心の方はご注意ください。

メインの遠近としてお勧めできます。セイコー社製とのこと。メーカーとして、こんなレンズをこの価格で提供する意図がよくわかりませんが、どうせなら他の小売業にも出してください。安くて使えるレンズがあることは良いことなのですから。

念のため付け加えます。この評価はあくまでレンズに対してで、ゾフさんという店舗に対してではありません。

愛眼さん

近方視野 60点
近方範囲 70点
自然さ 65点
遠方奥行 45点
遠方視野 55点
紹介&評価
セイコーさんで作ったオリジナルレンズだそうです。調べましたが、同等のレンズは判明しませんでした。
近くはよく見えるのですが、遠方視野下方の見え方は、お勧めできるものではありません。
かなり昔(5年以上前)に試したきりで店舗に伺えてません。(関東だと少ない) 最近は違うよと情報があれば、再チェックに伺います。

和真さん

近方視野 65点
近方範囲 65点
自然さ 70点
遠方奥行 70点
遠方視野 70点
紹介&評価
以前のレンズが無くなったので再調査しました。合格です。HOLT製で、レンズ名は「エクステンションパルS」です。

HOYAのサミットプロと同等との説明をいただきました。レンズマークが違うので確認できませんが、性能的にはそのとおりです。良いバランスです。気になる点は、中間距離(50-70㎝)の上下視野です。PCで縦方向複数モニターをお使いの方には勧めません。

オンデーズさん

近方視野 65点
近方範囲 65点
自然さ 55点
遠方奥行 65点
遠方視野 65点
紹介&評価
二種類販売されている中の上位(プレミアムと名がついてます)を購入(16,000円)セイコー製のオリジナルだそうです。最初、歪感が少なく、イケるかと思ったが、遠と近の切り替え部で明らかなボケと不自然さがあり、この一点で不合格。残念でした。

総評
本日現在(2023-11-05)で、眼鏡市場さんと和真さんとパリミキさんとゾフさんとジンズさんのレンズを保守的な選び方をすれば、かなりの方が使えると判断されると思います。(例えば、今かけているメガネ度数に近く用の度数を足すような選び方)

昔と比べれば、お値打ちと言えるレンズが低価格で手に入るようになりました。試しに買うにはまだ高いと思われるかもしれませんが、遠近両用の便利さは、それを上回る可能性が高いと付け加えます。

  • 私なりの結論①/選び方を選ぼう//
    一組1万円前後で使える遠近両用レンズが手に入れば、かなりのコスパです。
    ただ、問題がないわけではない。最初の遠近両用だから、慣れも含めて少々ガマンしてコスパを狙うか? ある程度定評のあるレンズを、それなりのコストを掛けて安心を含めて手に入れるか? 皆様の選び方を最初に選ぶ必要がありそうです。


  • 私なりの結論②/進化してます//
    例えば、10年前と比較すると各社のレンズは間違いなく進化しています。同じ金額なら確実にレベルが上がっています。

    眼鏡市場さんの新型も合格になりました。やっとこさです。
    これらの低価格レンズより上とランクされているレンズ群も進化しています。結果として、多くのの店舗や価格帯でボチボチ試してみてもいいよと言える環境になってきました。

    合格点を明確に超えるレンズをテストして紹介しています。参考にしてください。


  • 遠近レンズ評価

評価①は、自分で買うかどうか?:素直な感想を書いておきました。
評価②は、あくまではじめて掛ける方が基準/はじめて掛ける・遠用常用・50歳を想定しました。
評価の軸:合格点の基準/日頃遠く用のメガネを掛けて過ごしている方で、近くが見づらくなり、はじめて遠近両用を購入した初日に、「これなら慣れることができそう・・・」と思えるラインを合格点としました。合格点は65点に設定しました。

  • 遠方視野:左右の広さ//
    遠くを見る際に、レンズのセンターから左右に寄るほど歪みやにじみが出る。我慢できる範囲かどうかを評価。遠用(普通のレンズ)で見た時を100点として点数化する。

  • 遠方視野:下方の広さ//
    遠近両用レンズ独特の見え方で、初めて掛けた時、階段を下りるのに違和感がない状態を100点として点数化する。

  • 不自然さ:床の浮き上がり具合//
    遠近両用レンズ独特の見え方で、床が浮き上がった感覚を覚えることがある。遠近両用レンズの下半分は近くを見るために設計されるが、足元のボヤボヤがひどくては困る。これらは初心者が感じる不自然さの代表。遠用(普通のレンズ)で見た時を100点として点数化する。

  • 近方範囲:明視距離範囲//
    遠くも近くも見えるのが遠近両用レンズ。近くの見え方をピントが取れる距離の長さを評価。同等の老眼鏡で見た時を100点として実用度を点数化する。

  • 近方視野:上下左右の広さ//
    遠くも近くも見えるのが遠近両用レンズ。近くの見え方を見える手元の広さで評価。同等の老眼鏡で見た時を100点として実用度を点数化する。
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